補修改修

下地補修工法

塩害対策

塩害対策には、外部からの塩化物イオンの遮断と内部の塩化物イオンの除去が重要です

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塩害は、鉄筋位置での塩化物イオン濃度が限界値を超えた場合に不動態皮膜が破壊され、鉄筋が腐食する現象です。鉄筋腐食の原因となる塩化物イオンには、潮風や海水、凍結防止剤など表面から浸透する「外来塩化物イオン」と、施工時の使用材料等により混入した「内在塩化物イオン」があります。鉄筋位置において、これら塩化物イオン濃度の合計が限界値を超えると鉄筋の腐食が始まります。
塩害対策は、表に示すように劣化の進捗状況によって異なります。また、補修方法の選定にあたっては工期や経済性などを考慮し、必要に応じていくつかの方法を組み合わせることも重要です。

 

不動態皮膜とは

特定の条件下で鉄筋の表面に形成される皮膜のことを不動態皮膜と呼びます。鉄筋コンクリートにおいては、コンクリートがアルカリ性という条件下で不動態皮膜が形成され、鉄筋が腐食しないように保護する効果が期待できます。

塩害対策の方法

劣化因子の遮断

塩害を未然に防ぐには外来塩化物イオンの浸入を防止することが重要です。
躯体表面を塗膜防水材などで被覆する表面被覆工法や、ひび割れ補修を施すことにより、塩化物イオンを遮断することで塩害を防止します。主に内部の鉄筋が腐食する前の「潜伏期」や、軽微な場合の「進展期」での予防保全として適用します。

劣化速度の抑制

塩害の劣化速度を抑制する方法として、内部鉄筋の腐食反応を停止させる電気防食工法があります。
電気防食工法は、コンクリート表面に陽極材を設置し、コンクリート中の鋼材に防食電力を供給することで鋼材の腐食を停止させることができます。防食電流を供給している間は鉄筋の腐食を防ぐことができるので、構造物の供用期間中は常に電力供給を続けなければなりません。
電気防食工法には、外部電源により常に電力を供給する「外部電源方式」と、亜鉛やアルミなどを陽極材としてコンクリート表面に設置し、鋼材と接続させることで防食電力を確保する「流動陽極方式」があります。どちらの工法においても、電力供給確保が必須なので、定期的な点検、メンテナンスが必要になります。

劣化因子の除去

構造物内部に含まれている塩化物イオンを除去する方法として、脱塩工法があります。
脱塩工法は、コンクリート中の塩化物イオンをコンクリート外部に移動させ、除去する工法です。コンクリート表面に電解質溶液を含んだ仮設陽極材を設置し、仮設陽極材からコンクリート中の鋼材に向かって電流を流流すことで、コンクリート中の塩化物イオンが仮設陽極材側(コンクリート表面側)に電気泳動し、塩化物イオンが取り除かれます。

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