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戦艦大和慰霊塔(犬田布岬慰霊塔) 老朽化調査から改修工事まで

戦艦大和慰霊塔は、鹿児島県大島郡 南西諸島の奄美群島のほぼ中央にある離島、徳之島に設置されています。
1968年(昭和43年)、高さ24m、鉄筋コンクリート造、当時「埋没地点に最短」と考えられていた 徳之島 犬田布岬に慰霊塔として建立されました。
東シナ海を一望できる岬の先端に設置されており、厳しい環境条件にさらされ慰霊塔は劣化が非常に進行していました。
弊社は、戦艦大和慰霊塔の老朽化調査から修復工事まで関わらせていただきました。

写真は改修前後の慰霊塔です。 鉄筋コンクリートで作られた慰霊塔は、改修前 設置環境の厳しさから随所に内部鉄筋が腐食して生じる錆汁(赤褐色のすじ)が確認されます。 改修は傷んだ範囲、程度を正確に把握し、また将来的な劣化が進みにくくなる仕様で設計し、施工を行いました。

老朽化の状態

老朽化調査では、写真のようにコンクリート内部の鉄筋が腐食していることが確認されました。

調査状況

目視・打診調査を中心に鉄筋腐食度調査、かぶり厚さの確認、塗膜の劣化状況、塗膜下の躯体ひび割れ状況、骨材確認(促進膨張試験・SEM-EDS分析・岩種判定)まで耐久性に優れた補修を提案するため詳細に調査を行いました。

改修後の慰霊塔

改修後の戦艦大和慰霊塔

改修では、慰霊碑に常に安心してお祈りができるよう安全な状態に補修しました。
工事の主な内容は以下の通りです。
躯体コンクリートの脆弱化範囲の補修、鉄筋腐食箇所の復旧・補強、鉄筋の防錆処理、表面被覆による耐久性向上

戦艦大和慰霊塔

建設年 1968年(昭和43年)
設置場所 徳之島伊仙町 犬田布岬(27.72, 128.88)
構造 鉄筋コンクリート
高さ 24m(戦艦 大和の甲板から艦橋と同じ)
設計 中村晋也(鹿児島大学名誉教授)
慰霊祭 毎年4月7日