Technology & Methods

コンクリートの物性調査

  • 調査診断
  • 構造調査
  • 劣化調査

コンクリートの物性を各種調査・試験により把握します。
・圧縮強度(JIS法、小径コア法)
・中性化深さ
・含有塩化物量
・表層品質(透気試験)
・アルカリシリカ反応

圧縮強度(JIS法、小径コア法)

コンクリート構造物・建築物はコンクリートの設計基準強度を定めて造られます。施工されたコンクリートが設計で定めた強度を満足しているかどうか、コンクリートコアを採取して圧縮強度試験を行って判断します。基本的にJIS規格(φ100程度)のコンクリートコアを採取します。JIS規格のコンクリートコアが採取できない場合、ソフトコアリング(φ25程度)により代替が可能です。

中性化深さ

コンクリート中性化深さ試験は、コア法、はつり法にて行うのが一般的です。試験方法は共にJIS A 1152「コンクリートの中性化深さの測定方法」に準拠して実施いたします。コア法においては、試験所にて割裂面にフェノールフタレイン1%エチルアルコール溶液を噴霧し、赤紫色に程色した位置から中性化深さを測定します。はつりによる測定においては、原位置にて仕上材及びかぶりコンクリートをはつり取り、同様にフェノールフタレイン1%エチルアルコール溶液をはつり部に噴霧し、中性化深さを測定します。

含有塩化物量

塩分は鉄筋の腐食因子であり、これがコンクリート中に多く含まれる場合、鉄筋は腐食しやすい状態にあります。かぶりコンクリート中に含まれる塩分の分布を把握することで、鉄筋腐食の危険性を評価します。
※ 鉄筋コンクリート中の塩化物イオン量は1.2kg/m3を超えると鉄筋腐食が始まるとされています。

  • コンクリートコアを深さ方向に分割(スライス)することで塩分量の分布を把握することができます
  • ドリル削孔等で生じる切削粉で簡易的に塩分量を把握することができます
  • EPMAなどを使って視覚的に把握することもできます

表層品質(透気試験)

鉄筋コンクリートは、耐久性の観点からかぶりコンクリートの品質は極めて重要であると考えられています。透気試験は、実構造物を破壊することなく、原位置にてコンクリート表層の品質を確認する調査方法です。

  • 非破壊、原位置で品質評価が可能です
  • ダブルチャンバー法(表面減圧法)で実施致します
  • コンクリートに試験痕が残りません

アルカリシリカ反応

アルカリシリカ反応が疑われる構造物から、コンクリートコアを採取し、反応性の有無の確認を行います。アルカリシリカ反応は、セメントに含有されるNa、Kなどのアルカリ金属が、コンクリート組織内の水溶液にイオンとして溶出することから始まります。溶出したアルカリ金属イオンは、アルカリシリカ反応性鉱物と水分の存在下で反応します。化学反応によってアルカリシリカゲルが生成され、さらに水分が供給されると吸水膨張し、コンクリート中の骨材粒子や周囲の組織にひび割れが発生します。